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一期一会の日③ ~アンサンブルな人々~

 直人の退院を、首を長くして待っていたのは大人たちみんなも同じだ。だから訃報を聞いても、もう待つことはないんだというのがぴんと来ない人も多かった。                             
まず誰でもが直人の両親のことを思っただろう。母と父の顔を思い浮かべたことだろうし胸の内を想像したかもしれない。                                     
 お迎えの時「さぶ、大丈夫?」って抱きしめてくれたお母さんがいる。   
 滅多にお迎えができないけれど今日は指導員に会いに来た、と手を握ってくれたお母さんも。         
 息子は母が連れて帰ったけれど仕事帰りに寄って、残っている子どもたちとずっと遊んでくれたお父さん。       
 何日過ぎてもなかなか・・全然立ち直れない私に、よかったら読んでみてください、と一冊の本を手渡してくれた 看護師さんの母さん。 文章書くの苦手なんだけど、と手紙を手渡してくれたひとも、メールをくれたひとも。
 指導員を心配してくれているんだなあ、とそれだけで何度も涙が出た。

 病院から指導員が送った訃報の知らせをまず初めに受けたのは役員さん達だった。   
 オカリナに帰り着く頃、静かに集まってくれて、どうしていいか分からない指導員につきあってくれた。
 告別式のあとも、焼き場と初七日法要から帰ってくる指導員をオカリナで待っていてくれていた。
 葬儀は終わってしまったけれど、直人はオカリナの子だもの、ここでも何かしたいね、とぽつりぽつりと語り合った。

 大人がこのつらさと悲しみを乗り切れそうになかった。それで、そういう大人達が、一緒に何かしたい、直人はずっとオカリナの子だっていう何かをしたいと思ったのだった。    
 当日、入り口の立て看板も、表題も、アレンジメントも、飾り付けも、あいさつの言葉も、直人の映像も、二部の会食メニューも・・その日の何もかもにアンサンブルメンバーの思いが込められていた。                                         
 なによりも一期一会の日に、本当にたくさんの大人達が駆けつけてくれた。          
 直人はみんなの子どもなんだ。  

直人が逝ってしまって今日で2ヶ月になる。
 直人、今日はバザーだよ。がんばるから大人達のことも見ていてね。
 (さぶ)

Photo_2
 【3月に院内学級でこしらえた卒業制作の箱です。直人は病院から写メを送ってくれました。】

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Comments

お久しぶりです!
さぶ先生が落ち込んでいるようなのでカキコします。
もし読んで気分を害する人がいたらごめんなさい。

人には必ず生と死が与えられています。どんな人にも…
私も仕事がら数え切れない人の死と関わり合ってきました。
さぶ先生は教育者ですよね?
なら私が教えられない生と死を子供たちに教えてあげて!!
私を大きくしてくれた臼田先生ならできるはず!
だからがんばらなくていいから先生のペースで乗り越えてください。
先生が悲しんでいるの私も悲しいしきっと直人君も心配だよ!
遠くから見守っています。

少し大人になった忍より

Posted by: しのぶ(3ねん2くみ) | August 04, 2009 12:53

しのぶちゃん、ありがとう。なかなかお返事できなくてごめんなさい。コメント本当に嬉しいです。

私が泣いているときも、うつむいてばかりいる時も、しのぶちゃんは、毎日お仕事や子育てを頑張っていたんだね。そしてまた、こうやって私に会いに来てくれた。
たくさんの教え子たちもみんなどこかで頑張っているんだよね。(ヒロシやイナバさんはどうしているかしら・・。)

お子さんも大きくなったでしょう。3歳くらい?
私は元気です。しのぶちゃんがいるから元気です。


Posted by: さぶ | August 08, 2009 17:46

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