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四季の母 10月

ななほしさんたちの朗読会を楽しみにしていたのに、前日来客があり、一日中相手をしたらすっかり疲れてしまい、出掛けられなかったと電話口でしきりに残念がっていました。
昔ご一緒させていただいた仲間の皆さんにお目にかかるのも楽しみだったようですが。


10月の兼題 
【松茸・柿・秋まつり】

住み古れば氏子の貌の秋まつり

裏通り熟柿無傷でアスファルト

多種多様柿の歴史を繙けり

筆太に松茸入荷と青物屋

松茸の酒蒸し猪口を傾ける

*好物は柿と宣う姑なりし


1句目
すみふれば。 貌(かお)
もう40年もここに住んでいるから、近くの神社は氏神様だよ、地元に古くからいる氏子と一緒だなあ、と思ってさ。

2句目
元住吉の賑やかな駅前の通りをちょっと入ったら、舗装された道路に、まるで宝石みたいに真っ赤な柿がいくつも落ちていたそうです。

3句目
繙く(ひもとく)
柿がお題になったので、ちょっと柿のことを調べてみたら50種類もあったんだとか。
日本の柿は揚子江の方から渡来したんだそうだよ。知らないことはまだまだたくさんあるねえ。

4句目
秋の八百屋の店先。

5句目
これは二十年以上も前に亡くなった夫、つまり私の父の思い出を詠んだもの。
お酒好きの父が、ああ、松茸が食いたいなあ、と言うので、とても貧しかったんだけど無理して買ってきてあげたんだよ、石づきをそいでさ、酒蒸しにしたんだよ。
母は山梨の田舎から出てきた人ですが、父は品川生まれ。
東京もんは贅沢だねえ、と思ったよ。
いくらぐらいしたの?
その頃で三千円かねぇ、お父さんには言わなかったけどね。

*6句目
姑(母) 宣う(のたまう)
この句は俳句の会で発表したものではありませんが。私には心に響く句なので。
母は、寝たきりのおばあちゃん(私の父方の祖母)を十年間家に引き取って介護しました。
あの頃は介護なんて誰もいいません。家で看る、と表現していました。
大人用のおむつもありません、介護食もありません。ヘルパーさん制度もありませんでした。
おばあちゃんは、母のことをおかあちゃん、おかあちゃん、と呼んでいました。
そのおばあちゃんは、柿が、とても熟してとろとろになったような甘い柿が大好きだったのでした。
皮を取って口に運んであげると美味しそうにすすっていたのをわたしもよく、とてもよく覚えています。

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Comments

とんでもなく忙しいかった10月が終わったかと思っていたら、11月もとんでもなく忙しく、久し振りにブログをみました!
今日は立冬・・・もう、冬が来てしまいます!
今年は秋を堪能出来ませんでしたが、10月の俳句で感じる事ができました。
6句目は涙が出ました。
だから、お母様は私の様なものにも、優しくして下さるのね~~
朗読会にお目にかかれず心配して、お手紙を書こうと思いながら・・・忙しいとは心を亡くす事です!駄目ですね!
また、元気が出る11月の句を楽しみにしています。

Posted by: ななほしきみえ | November 07, 2014 21:51

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